【エアコン(クーラー・暖房)の仕組み(構造)】圧縮・凝縮・膨張・蒸発って何!?冷房(クーラー)が冷える仕組みと暖房が暖かくなる仕組み(構造)

エアコン(クーラー・暖房)はどのような仕組みで冷たい空気や暖かい空気を吐き出しているのか、その仕組みについて解説させていただきます。また、合わせて、冷媒、圧縮、凝縮、膨張、蒸発等の用語についても解説させていただきます。

エアコンの原理

エアコン(クーラー・暖房)は、液体(冷媒)が蒸発するときに周囲から多量の熱を奪う性質を利用して空気を冷やしています。 分かりやすい例は、予防注射等をするときに、注射をする部分を消毒します。この際に使われるアルコールが付くと『ヒヤッ』とするのは誰でも体験したことがあるのではないかと思います。このアルコールが蒸発するときに『ヒヤッ』と感じるのは、アルコールが皮膚から熱を奪っているためです。この現象は『ヒートポンプ』と言われる現象です。 この現象が、クーラー(冷房)の原理です。つまり、液体は蒸発する時に周囲から熱を奪います。この現象の逆で、気体が液体になる場合、熱を放出熱を放出します。この現象が、暖房の原理になります。 エアコン(クーラー・暖房)は、この液体と気体の性質を利用することで、室内を冷やしたり、暖めたりしています。使用している物質は、冷媒という物を使用しています。エアコン(クーラー・暖房)の内部(配管内)では、この冷媒を、圧縮したり蒸発させたりしながら運転を行っています。 熱には、熱が多いところから少ないところに移動するという性質があり、『冷媒ガス』の気化熱・凝縮熱を利用して、周辺の空気と『熱』のやり取りを行なっています。つまり、中と外の空気中にある『熱』だけを移動することにより部屋の温度を上げたり、下げたりしている訳です。

エアコン(クーラー・暖房)の仕組み

上記で説明の通り、エアコン(クーラー・暖房)は、液体が蒸発して気体になる時に周りから『熱』を奪う性質と、気体に圧力をかけると『熱』を放出しながら液体になる性質を利用して温度を調節しています。

冷房(クーラー)運転時

冷房(クーラー)運転時は、室外機から配管を通して送られてきた『冷媒ガス(液体の状態)』が、室内機の『熱交換器内(アルミフィン付きの配管)』で蒸発(気化)することで室内の『熱』を奪います。これは注射の際に、アルコールが蒸発して周囲の熱を奪うのと同じ現象です。 この熱交換器は室内にあるエアコン本体で吸い込まれた室内の暖かい空気の通り道にあり、冷たく冷えた熱交換器を暖かい室内の空気が通る事でエアコンから吐き出される空気は冷たい空気になります。一方で、熱交換器内の冷媒は、室内の空気が冷えた分だけ熱量を貰い暖かくなりながら室外機に運ばれます。 温まった冷媒は室外機に送られ、圧縮機(コンプレッサー)により、圧力を上げられた気体になります。この際、冷媒は圧縮熱をもらい高温になります。 ※気体は圧縮すると圧縮熱をもらい熱くなります。 圧力を上げられた冷媒は高温になるため、室外機のファンで冷却されます。冷却する温度は室外の外気です。圧縮された冷媒の温度は、室外の温度より高温になるため、夏場の外気の温度よりも十分に高く冷媒の冷却が可能です。 夏場のエアコン(クーラー)運転時に、室外機からでる空気に触ったことがある人であれば知っていると思いますが、室外機からは暖かい空気が吐き出されています。つまりここでも冷媒ガスは熱交換を行い、冷媒より冷たい夏の外気により冷やされることで、冷媒の温度を下げています。この際に気体は放熱をしながら液化します。 液化した冷媒は、膨張弁で圧力を下げられます。液体は圧力を下げられると気化(蒸発)しやすい状態にあります。 蒸発しやすい液体が熱交換器ないで再度気化し周囲の温度を奪います。これがサイクル的に行われることで、エアコンは、室内の空気を冷やしています。

暖房運転時

暖房運転では、この反対の事をエアコン内で行う事で、室内の空気をあたためています。室外機で高温に圧縮された冷媒が、室内の熱交換器を通過することで、室内の冷たい空気をあたため、配管内の冷媒は、冷やされます。この際に、冷媒は液化します。 その後、膨張弁で圧力を下げられ、気化しやすい状態になった冷媒は、室外機内で蒸発し周囲の熱を奪います。この空気が再度、圧縮機に入り、高温で高圧の空気となり、室内機に送られます。これがサイクル的に行われることで、室内の空気を暖めることが可能になります。 この様に、エアコンは冷媒の流す方向を変えることと、冷媒の状態を、気体から液体に還ることで、冷房(クーラー)と暖房を同時行っています。

まとめ

まとめ
いかがでしたか!?今回は、エアコン(クーラー・暖房)の原理と仕組みを分かりやすく解説させていただきました。是非、参考にしてみてください。